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点字テプラを使用した視覚障害の有る患者への情報提供の取り組み
ファーマライズ株式会社:(静岡県)ファーマライズ薬局
発表者:平野裕子 共同研究者:渥美摩利子 庄司奈津子 末安紀子

[はじめに]
これまで、当薬局においては、視覚障害の有る患者(以下、患者)に服薬指導をする際、晴眼者の介助が前提であったり、薬の自己管理がなされている患者についても、患者の努力に甘えて、口頭でわかりやすく説明するにとどまっていた。 ある時、長期にわたり介助者(家族)に服薬指導していた患者から「自分の薬は自分で管理したい。薬を自分で飲むために、薬袋に点字をつけて欲しい。」という要望があった。そこで、当薬局における視覚障害の有る患者への服薬指導の現状について調査したところ、ご夫婦ともに視覚障害がある場合など、個別にさまざまな事情のあることもわかり、従来の服薬指導では、十分に患者の役に立てていない現状に気付いた。これをきっかけに、手探りで点字を使用した薬袋、薬剤情報提供書作りを始めたが、健常者の考える表記方法と、実際の患者に役立つ表記方法はかけ離れていることが解った。今回、点字を読むことが出来る視覚障害患者に役立つ薬袋、薬剤情報提供書の表記方法を検討したので、結果と考察を報告する。

[目的]
・患者が、自分で薬を正しく服用できるようにする。
・薬に関する情報を自分で確かめることができる方法をみつける。

[方法]
点字テプラ(型番:SR6700D)を用いて、実際の薬袋を作成し、使用した患者の意見を参考に改良を重ねる。また、薬剤情報の提供の仕方について、より解りやすい方法を検討する。 @晴眼者の介助が得られる場合 A晴眼者の介助が得られない場合  と視点を変えて検討する。

[結果]
薬袋については、介助者がある場合は、患者・晴眼者双方にわかりやすい工夫が求められた。また、一般的な薬袋は、視覚で理解できるように簡潔になっているが、視覚障害の有る患者にとっては、そのような表記方法は不親切であり、口頭で説明するように文章化された薬袋が必要であった。点字テプラの貼り付け位置も、個別にわかりやすさの感覚が異なるためいくつかのパターンを用意し、患者の要望を取り入れやすくする工夫も必要だと解った。 薬剤情報書については、点字テプラを使用すると、一剤の薬の情報に多くのスペースが必要となり、複数の薬剤の情報をコンパクトにまとめることは困難であった。また、すべて手作業となるため、毎回、すべての薬剤について作成するのは、待ち時間も長くなり現実には無理であった。そのため、口頭で服薬指導したことの補助として1薬剤につき1枚の薬剤情報カードを自宅に保管してもらい、調べたい薬剤の説明をいつでも自分で見ることができるようにした。その後、薬が変更・追加された際に、新しい薬剤情報カードのみをお渡しするのが合理的であった。

[考察]
【考察】 点字テプラを用いた薬袋・説明書は、患者にとても好評であった。また、患者は今回の取り組みに対して、驚きと共感を持って協力して下さり、コミュニケーションがより充実するというメリットもあった。点字を読めない患者への配慮はどのようにするかの課題が残ったが、今後この点についても工夫を重ね、患者の安全を守り、信頼される薬局をめざして努力していきたい。

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